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腰痛の8割は原因不明という考え方は古い⁉腰痛の原因は特定できる!

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腰痛の画像

 

腰痛の8割は原因が分からない「非特異的腰痛」です!

1度は聞いたことがある方が多いのではないでしょうか?

 

しかし、本当にそうなのでしょうか?

 

結論からいうと、以前はそう考えられていましたが、現在ではそうとはいえません!

 

本記事では、理学療法士、パーソナルトレーナー、バランスボールインストラクターである私が、本当に8割の腰痛が非特異的腰痛なのか解説します。

 

 

 

なぜ腰痛の8割が原因不明の非特異的腰痛といわれてきたか?

腰痛の女性の画像

 

腰痛の診療に対するエビデンスなどをまとめた「腰痛診療ガイドライン」が、日本整形外科学会から定期的に出版されています。

 

「腰痛診療ガイドライン2012」を見ると、欧米の論文を引用して、「非特異的腰痛が腰痛の85%を占める」と記載されています。

 

その後から腰痛の8割が原因が分からないと言われ始めたのか、それ以前からいわれていたのかは不明ですが、とにかくそのころにはそれが通説だったようです。

 

 

現在は腰痛の8割は原因が分かる⁉

 

「腰痛診療ガイドライン2019」では、腰痛の原因の内訳を調査した報告が引用されています。

その報告では、腰痛の原因は以下のように分けられています。

  • 椎間関節性:22%
  • 筋・筋膜性:18%
  • 椎間板性:13%
  • 狭窄症:11%
  • 椎間板ヘルニア:7%
  • 仙腸関節性:6%

そして、原因が分からないとされている非特異的腰痛は22%でした。

 

これまで報告されていた結果と、真逆の結果となり、腰痛の8割はしっかり検査、評価すれば原因を特定できるということになります。

 

もちろん、この報告がコンセンサスを得られているわけではありません。

今後さらに検証され、より高いエビデンスを持った研究が行われていくと思います。

 

しかし、少なくともこれまで言われてきた「腰痛の8割は原因不明」というのは少し古い考え方ではないかと思っています。

 

検査、診断制度が向上している現在でしたら、腰痛の原因をある程度特定できる場合が多いのではないでしょうか?

 

 

腰痛の原因と症状を解説

問診の様子

 

ここからは、上に挙げた腰痛の原因について解説します。

腰痛の原因が分からなくては、適切な対処もできません。

ご自身の症状と照らし合わせて、疑わしい原因を考えてみましょう!

 

椎間関節性腰痛

椎間関節の画像

 

椎間関節性腰痛は、腰椎の椎間関節が原因で起こる腰痛のことを指します。

 

 椎間関節へのストレス

椎間関節は、腰を反らす動き(伸展)と腰を捻る動き(回旋)によって関節面が圧迫され、ストレスを受けるとされています。

そのため、そのような動作が多い仕事をされている方や、野球、ゴルフ、バレーボール、テニスなど、捻りや反らす動きが多いスポーツで起こりやすい腰痛です。

 

その他に、反り腰の方も椎間関節への負担が掛かりやすい状態となります。

 

また、加齢によっても椎間関節自体の変性が起きることで、椎間関節性腰痛のリスクが高まります。

 

症状

椎間関節性腰痛の特徴的な症状は、椎間関節に負担のかかる腰を後ろに反らすことや腰を捻る動作による痛みです。

また反り腰の方は、長時間立っていても症状が出やすくなります。

 

筋筋膜性腰痛

筋筋膜性腰痛

筋筋膜性腰痛は、筋肉筋膜の緊張や損傷が原因で起こる腰痛です。
 

筋筋膜性腰痛の原因

特定の筋肉を過剰に使うことで筋肉が疲労し、筋や筋膜が硬くなったり、緊張したりすることが痛みの原因に繋がります。
仕事で重い物を持ったり、中腰姿勢が多い方や、スポーツ中の腰の筋肉への負担などが原因となります。
 

筋筋膜性腰痛の症状

腰の筋肉を使ったときに痛みが生じます。
立ったり座ったり、前後屈、中腰姿勢といった動作での痛みが特徴です。
また、原因となっている筋肉を押した時の痛み(圧痛)がある場合が多いです。
 
 

椎間板性腰痛

椎間板

椎間板性腰痛は、椎間板が原因で起こる腰痛を指します。
 
椎間板は、背骨の間にあるクッションの役割をしている組織です。
 
椎間板は、本来は神経があまり通っていません。
外側の線維輪と、終板という椎間板の上下部分のみ神経が通っています。
そのため、椎間板自体が損傷しても、痛みを感じることは少ないはずです。
 
しかし、椎間板が変性したり、外側の線維輪が傷んでしまうと、その箇所を修復しようとして椎間板の周囲から神経や血管が椎間板内に侵入しようとしてきます。
これによって、椎間板自体へのストレスでも痛みを感じるようになってしまった状態を椎間板性腰痛といいます。
 

どんなときに椎間板に負担がかかる?

 
椎間板は、腰が丸められる動きで圧縮ストレスを受けます。
 
これはNachemsonの有名な研究があるのですが、それによると姿勢による椎間板への負荷は以下のようになります。
  • 仰向けに寝ているとき:25
  • 立位:100
  • 座っているとき:140
  • 座って前傾姿勢:185

なんと、立っているときよりも座っているときの方が椎間板への負担は大きいのです。

 
そのため、長時間座りっぱなしのデスクワークの方や、長距離ドライバーの方などは椎間板性腰痛の危険性が高まるため注意が必要です。
 

椎間板性腰痛の症状

 
椎間板への負担が大きい姿勢や動作で、症状が現れます。
具体的には、腰を丸める動きで痛い、立っているより座っているほうが痛いといった症状です。
 

腰部脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症の画像

背骨の中で、脊髄が通る部分を脊柱管といいます。
この脊柱管が腰椎の部分で、狭小化して神経が圧迫された状態を腰部脊柱管狭窄症といいます。
 

腰部脊柱管狭窄症の原因

 
腰部脊柱管狭窄症の原因は様々で、加齢による椎間板変性、椎間関節の肥大、骨棘の形成、靭帯の肥厚などがその一例です。
 

腰部脊柱管狭窄症の症状

 
腰痛足の痺れ痛みといった症状が出現します。
立っているときや歩いているときに症状が出やすく、座っているときは比較的落ち着いていることが多いです。
 
また、間欠性跛行も特徴的な症状です。
間欠性跛行とは、歩いていると腰や足の痛みが増してきて、休み休みでしか歩くことが出来ない状態です。手押し車やカートで腰を少し曲げた状態だと痛みが少なく歩くことが出来るのも、腰部脊柱管狭窄症でよくみられる症状です。
 

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアの図

椎間板ヘルニアは、背骨の間でクッションの役割をしている椎間板が後方へ突出し、靭帯や神経を圧迫している状態です。
 

腰椎椎間板ヘルニアの症状

 
腰痛に加えて、椎間板ヘルニアによって圧迫を受けている神経領域への痺れや痛みが出現します。
また、神経への圧迫が長期間続くと、その神経領域の筋力低下が起こる場合があります。
 

腰椎椎間板ヘルニアの原因

 
椎間板への負担が原因となるため、上記した椎間板性腰痛の原因と同じく、腰を曲げる動きや長時間の座位、姿勢不良といった要素が原因として挙げられます。
 

仙腸関節性腰痛

仙腸関節の画像


仙腸関節とは、骨盤にある仙骨と腸骨の間の関節のことです。
この関節は強い靭帯によって結合されているため、大きな動きは出来ないのですが、上半身と下半身をつなぐ大事な部分です。

仙腸関節性腰痛の症状

 
仙腸関節性腰痛では、骨盤の高さに痛みが出ることが多くあります。
逆に、骨盤より上の高さに腰痛が出ることは稀です。
また、殿部鼠径部下肢などにも痛みを生じる場合もあります。
 
長く座っているときや、片側の股関節を深く曲げたときなどに痛みが生じやすくなります。
 
仙腸関節性腰痛は、MRIなどの画像検査ではっきり分からないことが多く、診断に難渋することもあります。
 

仙腸関節性腰痛の原因

 
仙腸関節性腰痛の原因としては、左右非対称な動き(足を前後に大きく開く、長時間足を組んだ状態など)で負担が掛かったときなどに起こりやすいとされています。
 
また女性の場合は、出産時に仙腸関節周囲の靭帯が緩むことで産道が広がりますが、その後に仙腸関節の不安定性が生じ、仙腸関節性腰痛に繋がってしまう場合があります。
 
 

まとめ

 
腰痛の原因と、その代表的な症状などについてまとめました。
 
腰痛の8割は原因不明といわれていたこともありますが、現在では8割の腰痛は原因を特定できるとも言われています。
しかしながら、実際には特定するためには様々な評価を組み合わせて推測することが必要になるため、一般の方では判断がつかない場合が多いです。
 
ご自身で判断がつかないときや、なかなか改善しない場合は、迷わず専門医を受診しましょう。
適切な診断があれば、治療方針も決まり、症状も改善しやすくなるでしょう。
 

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