バレーボールはスパイクやブロックでジャンプをする回数が多かったり、レシーブではボールに飛びついたり、激しい動きが必要なスポーツです。
日頃から体を鍛えたりメンテナンスして、正しく使えていないとケガをしやすいスポーツともいえます。
私は約5年半の間、強豪校の高校バレーボール部のトレーナーとして、バレーボール選手のトレーニング、ケガからの復帰のためのリハビリを担当してきました。
その経験から、バレーボールをしている人でケガをしやすい人はどんな特徴があるかが分かるようになってきました。
ケガをしやすい人の特徴が分かれば、予防のためのトレーニング方法も分かります。
本記事では、理学療法士・パーソナルトレーナー・バランスボールトレーナーである私が考える「バレーボールでのケガ予防にオススメのトレーニング」を4つご紹介します。
バレーボールでケガをしやすい部位ランキング
まず私の完全な主観ではありますが、バレーボールでケガをしやすい部位ベスト3を選びました。
なお最も多いのは突き指ですが、突き指はアクシデントであり防げないものが多いので今回は除外しています。
- 腰
- 足首
- 同率で肩、膝
ベスト3と言いながら4つ選んでしまってすみません(汗
それぞれ一つずつ解説していきます。
バレーボールでの腰のケガ
中高生の腰の痛みとして最も多いのが、腰の疲労骨折とも言われる「腰椎分離症」です。
この腰椎分離症は、腰を反らす動きや捻る動きを繰り返すことで、腰椎の椎弓という部分が骨折してしまった状態です。
「腰椎椎間板ヘルニア」も多くみられます。
バレーボールの場合、中腰姿勢を多くとりますが、この中腰で体幹の筋肉がバランス良く使われていないと、腰の椎間板の負担が増大してしまいます。
また、ジャンプ着地時に着地の衝撃を腰ばかりで受け止めてしまっている場合にも起こりやすくなります。
バレーボールでの足首のケガ
足首のケガで最も多いのは「足関節捻挫」です。
この足関節捻挫は「防げる捻挫」と「防げない捻挫」に分けられます。
まず「防げる捻挫」です。
これは、体全体のバランスの悪さが原因となっているものです。
捻挫で多いのがジャンプ着地時に、体のバランスを崩し、そのまま耐え切れずに捻挫してしまうパターンです。
また、着地時ではなく空中でバランスを崩している場合もあります。
このような捻挫の場合は、バランス能力を改善することで防げるケースが多くあります。
また捻挫を繰り返している場合、足首そのものが緩くなってしまっていたり、足首周囲の筋肉の機能や反応速度が落ちてしまっている場合があります。
この場合も、足首周囲の筋肉をトレーニングすることで改善することが出来ます。
逆に「防げない捻挫」もあります。
例えばブロックジャンプで着地した際に、チームメイトや相手選手の足を踏んでしまうことで起こる捻挫です。
これは、自分だけの要因ではないため、完全に防ぐことは難しいケガといえます。
バレーボールでの肩のケガ
バレーボールでの肩の痛みとしては、「肩インピンジメント症候群」が代表的です。
これは、肩関節内部で腱や滑液包などの組織が挟み込まれることで痛みが生じます。
この状態が続くと、挟み込まれている腱が損傷したり断裂してしまう場合があります。
また「SLAP損傷」も起こりやすい肩のケガです。
これは、肩関節を安定させる役割のある関節唇を損傷する疾患です。
スパイクやサーブで上腕二頭筋に負担が掛かると、その張力で上方の関節唇を損傷してしまう場合があります。
バレーボールでの膝のケガ
バレーボールでの膝のケガで多いのは、「ジャンパー膝」です。
太ももの前側にある大腿四頭筋は、ジャンプ動作で最も重要な筋肉です。
ジャンプを繰り返すバレーボールでは、大腿四頭筋は非常に負担が大きくなってしまいます。
この大腿四頭筋は、膝のお皿の骨の下にある膝蓋腱という部分につながっています。大腿四頭筋を使い過ぎると、この膝蓋腱に負担が掛かり痛みが生じてしまいます。これをジャンパー膝と言います。
成長期では、もう少し下の骨が痛くなる「オスグッド・シュラッター病」となります。
バレーボールでのケガを防ぐために必要なこと
足早に結論を言ってしまうと、体幹のトレーニングバレーボールにおいては非常に重要になります。
それはなぜでしょうか?以下に解説します。
体幹が弱いことの影響・・・
まず体幹が弱いと、単純に腰が安定せず負担が大きくなってしまいます。
これは、一般的にも良く言われていることなのでイメージしやすいかと思います。
しかし体幹が弱いと腰への負担だけではなく、肩にも影響します。
体幹の力が抜けてしまっていると、肩にも力が伝わりにくくなってしまうのです。
特に、バレーボールの場合は空中で肩を使うことが多くなります。
足が地面についている状態では、下半身で踏ん張りながら肩を使うことも出来るのですが、空中ではそうはいきません。空中では体幹で体を固定して、肩を使わなくてはならないのです。当然、体幹が不安定な状態では肩にも力が入りにくくなってしまいます。
また、肩の動きが悪いことでそれが体幹に影響することもあります。
肩の動きが悪いと体幹を使って、それを代償しようとしてしまいます。
具体的には、肩の動きが硬い状態で上からスパイクを打とうとすると、肩の動きを補うように腰を反らしてしまうことが多くみられます。
これを繰り返していると、腰を痛めてしまう原因となってしまいます。
さらに、体幹は膝や足首にも影響します。
例えば、空中で体幹のバランスを崩し、そのまま着地してしまうと捻挫をするリスクが高くなります。
空中だけでなく着地時に体幹が傾くこともあり、これにより膝を痛めてしまうこともあります。
以上のようにバレーボールにおいては、体幹の安定性というのが非常に重要なスポーツです。
体幹をトレーニングすることは、あらゆる部位のケガ予防につながります。
ただし、ただ体幹をトレーニングすれば良いというわけではありません。
一般的な体幹トレーニングも大切ですが、空中でコントロールできるようにするためには、それだけでは不十分です。
バレーボールで必要な体幹というのは、空中で体幹をコントロールする能力が非常に重要になってきます。
空中というのはどこにも支えが無い状態ですから、不安定な状況下で体幹を安定させるトレーニングをしなけくてはなりません。
この空中を再現するために、バランスボールを使うと効果的です。
バランスボールのグラつきを体幹でコントロールしながら手や脚を動かす。そういったトレーニングが出来るとバレーボールでの使い方に直結したトレーニングになります。
バレーボールでのケガ予防にオススメの体幹トレーニング
ここからは、バレーボールでのケガ予防にオススメの体幹トレーニングを4つご紹介します。
上記したように、バランスボールを使うことで、バレーボールの動きに繋がるトレーニング方法になっています。
トランクカール
【目安回数】10回2セット
ブロックジャンプ
【目安回数】20回
チョッピング&リフティング
【目安回数】10回2セット
Vボールパス
【目安回数】10回2セット
まとめ
バレーボールは、激しい動きが必要になるスポーツです。
ですが、上手く身体が使えると防ぐことが出来るケガも多いです。
今回ご紹介した体幹トレーニングで防ぐことが出来るケガも多いので、是非取り組んでみて下さい。
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理学療法士として、腰痛や肩痛、膝痛など様々な症状の患者さんの治療経験から、ただのトレーニングではなく、動ける身体づくりを目指しています。
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