イメージトレーニングというと、どういったものが思い浮かぶでしょうか?
・体操の選手が競技前に頭の中で成功するイメージをする。
・ボクサーが相手をイメージしながら行うシャドーボクシング。
この他にも、
・医師が手術前に、手術の手順を頭の中で確認する。
・ピアニストが、楽譜をみながら指の動きや音をイメージする。
こういったものも、イメージトレーニングですよね。
それでは、筋トレやボディメイクをされている方にとってのイメージトレーニングとはどんなものでしょうか?
本記事では、理学療法士・パーソナルトレーナー・バランスボールトレーナーでもある私が解説します。
イメージトレーニングだけで筋力が上がる?
筋力に対するイメージトレーニングの研究を2つご紹介します。
オハイオ大、クラーク博士の研究
1か月間、手首をギプス固定して以下のグループに分けて筋力を比較した。
- 腕に力を入れたり、手首を動かすように5秒間イメージするのを13回、1日4セット行った(14人)。
- 固定のみで、なにもしないグループ(15人)。
結果はイメージトレーニングをした群のほうが、手首の屈筋群が強く、サイレントピリオド(筋肉が一気に大きな力を出そうとする直前に起きる一瞬の筋弛緩)が短かった。
ビショップ大、シャッケル、スタンディングの研究
以下の3グループ(いずれも10人)に分けて筋力を調べた研究。
- 筋トレをするグループ
- イメージトレーニングのみするグループ
- なにもしないグループ
筋トレをするグループは、マシンを使ったトレーニングで股関節屈筋群をトレーニングした。
イメージトレーニングをするグループでは、そのトレーニングをしている姿をイメージした。
2週間のトレーニング期間で15分のトレーニングを週5回実施した。
結果は以下のようになった。
- 筋トレをしたグループ:筋力が28%向上した。
- イメージトレーニングをしたグループ:筋力が24%向上した。
- なにもしないグループ:筋力は向上しなかった。
研究結果の解釈
これらの研究結果から、イメージトレーニングだけでも筋力が向上することが分かります。
注意しなくてはならないのは、ここでいう筋力の増加が、筋肉量が増加したのか筋出力が増加したのかという部分です。
どちらの研究も、原著を確認出来ていないのですが、おそらく筋出力が増加したことによる効果だと思います。
そのため、一時的には筋力を向上させることが出来ますが、イメージトレーニングだけではすぐに上限に達してしまうのではないかと推測出来ます。
また、イメージトレーニングだけを続けているのでは、いずれ筋肉は細くなり弱化していくでしょう。
そうだとしても、イメージトレーニングだけで筋出力が向上するのであれば、素晴らしい効果ですよね!
筋トレやボディメイクでのイメージトレーニングの使い方
以上を踏まえて、筋トレやボディメイクでのイメージトレーニングの使い方を考察してみました。
筋トレ+イメージトレーニングが最高の組み合わせ
先ほど記載したように、イメージトレーニングだけでは筋力を向上させられる限界があります。
そのため筋トレをしながら、それをサポートするかたちでイメージトレーニングを使うことがベストではないでしょうか。
たとえば、トレーニングを始める前やセット間にイメージトレーニングをすることです。
これから行うスクワットの理想的なフォームをイメージしたり、その時にどこの筋肉を使って行うのか、具体的にイメージしてみましょう!
筋肉も、脳からの指令で動いています。
筋肉の収縮や使い方、理想のフォームをイメージしておくことで、多くの筋線維に指令が伝わりやすくなります。
そうすれば筋出力のアップにつながり、同じ量のトレーニングでも効果に違いが出るかもしれません。
トレーニングが出来ないときは、イメージトレーニングだけでも行おう!
筋トレやボディメイクを続けていると、トレーニングをしたい日なのにどうしても出来ないこともあります。
- 体調不良で・・・
- 家庭の事情で・・・
- 仕事が忙しくて・・・
そんなときは、イメージトレーニングだけでも行いましょう!
そうすることで、少しくらい休んでも、休んだ影響を感じずにトレーニングを再開できるでしょう。
また、単純にトレーニングの休息日にイメージトレーニングだけするのも良いですよね!
いずれの場合も、どの動きでどこの筋肉を使っているのか、具体的にイメージすることが重要です。
まとめ
筋肉は脳からの指令を受けて動いています。
逆にいえば、脳からの指令がなければ動きません(反射を除いて)。
イメージトレーニングで脳と筋肉をつなぐ作業をしておくことで、筋力を向上させる効果があることを紹介しました。
みなさんもイメージトレーニングの効果を、筋トレやボディメイクに有効に活用していきましょう!
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理学療法士として、腰痛や肩痛、膝痛など様々な症状の患者さんの治療経験から、ただのトレーニングではなく、動ける身体づくりを目指しています。
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