みなさんは、「マシュマロ実験」って知っていますか?
心理学者の先生が行った著名な実験です。
本記事では、理学療法士・パーソナルトレーナーである私が、そのマシュマロ実験の結果から、筋トレやボディメイクを成功に導く方法について考察していきます。
マシュマロ実験とは?
アメリカの心理学者のウォルター・ミシェルが1960~70年代に実施した著明な実験です。
マシュマロ実験の方法
マシュマロ実験の方法を簡単に説明します。
4歳の子供を一人ずつ、マシュマロが1つだけ置いてある部屋に通します。
そして、以下のように伝えて部屋を出ます。
「私は少し用事があるので、15分くらい部屋を出るね。このマシュマロは君にあげるけど、私が帰ってくるまで食べるのを我慢していたら、マシュマロをもう1つあげるよ」
マシュマロを食べてしまった子と、マシュマロを食べるのを我慢できた子、それぞれ将来どうなったのか追跡調査がされました。
マシュマロ実験の結果
この実験の結果では、2つ目のマシュマロを手に入れることが出来た子は、全体の3分の1程度だったそうです。
そして18年後、その子たちが22歳のとき、追跡調査が行われました。
その結果・・・
2つ目のマシュマロを手に入れた子たちは、周囲から優秀と評価され、アメリカの大学進学適正試験(SAT)のスコアが高かったそうです。
また、肥満指数も低かったそうです。
実験から約40年後の2011年には、さらに追跡調査が行われ、その傾向が人生の半ばまで続いているということが分かりました。
さらに脳科学的な観点から大脳を撮影した結果、以下のように腹側線条体と前頭前皮質領域の活動に差異がみられたそうです。
・マシュマロを食べてしまった子は、腹側線条体の活動が盛んでした。この領域は、欲求、快楽、中毒と結びついています。
・2つ目のマシュマロを手に入れた子は、前頭前皮質領域の活動が盛んでした。この領域は、問題解決領域や行動のコントロールに関わっています。
マシュマロ実験から何が分かる
マシュマロ実験は、子供のディレイ・グラティフィケーションを調べる実験といわれています。
ディレイ・グラティフィケーションとは、「満足を先延ばし出来る能力」です。
例えばこの研究で言われているように、テストで良い点数を取るためには、当然ですがテストに向けて勉強することが必要です。
今後あるテストに向けて、いま頑張って勉強するのか?
それとも、勉強せずにゲームやテレビばかり見て、いま現在の満足を優先するのか?
この満足を先延ばし出来る能力というのは、言い換えると「時間選好率が低い」と言えます。
時間選好率とは、将来に消費することよりも、現在に消費することを好む程度です。
この時間選好率と貯蓄額を調べた研究もあるそうなのですが、時間選好率が高い人ほど貯蓄額が低いという結果があるそうです。
時間選好率が高い人は、いま満足することへお金を使ってしまう傾向があるということです。
それについての是非は置いといて、時間選好率の分かりやすい一例だと思います。
マシュマロ実験は否定されている?
2018年に、マシュマロ実験の再現実験が行われています。
その結果、マシュマロ実験は家庭背景や経済的要因が大きいという主張がされました。
確かに、貧困家庭の場合、言いつけを守っても本当にマシュマロをもう一つ貰えるか分からないですよね。
そのため、最初の実験で言われたように「満足を先延ばし出来る能力」は、関係ないのではないかという議論がされています。
どちらも、「確かにね・・」と、思える内容ですよね!
この再現実験から考えられることも沢山ありますが、今回は最初の実験結果から筋トレやボディメイクについて考えてみたいと思います。
マシュマロ実験から筋トレやボディメイクを考える
マシュマロ実験の結果の一つに、肥満指数が低かったという結果がありました。
筋トレやボディメイクを成功させるためには、「満足を先延ばし出来る能力」が高い人の方が成功率が高いと思います。
筋肉はトレーニングしても、すぐに効果が出るわけではありません。
個人差がありますが、一般的に筋力が向上(神経的な適応)するまで3~4週間、筋肥大までは約3か月程度と言われています。
逆にいえば、その期間は効果が目に見えない中で、トレーニングを続けなくてはなりません。
運動習慣のない方にとっては、なかなか効果が出ないトレーニングを続けるということは「ストレス」ですよね!
このストレスを我慢できず、トレーニングを中断してしまったり、やめてしまう方が筋トレやボディメイクを成功出来ない方ではないでしょうか?
しかしそのストレスに打ち勝ってトレーニングを続け、目標を達成出来るとその分だけ大きな喜びになります。
満足を先延ばし出来る能力や、時間選好率が高い方と自分で感じる方、「時間選好率を低くしたいな~」と思いますよね!
私もそう思います!
しかしこれらは、すぐに身につくものではありません。
その人の性格的なもので、今まで生きてきた経験などから決まってくるものだと思います。
それでは、ボディメイクや筋トレを続けるためには、どうすれば良いのでしょうか?
時間選好率の高い方が筋トレを続けるためには?
なかなか効果が出ないことで、いつもトレーニングを継続出来ない・・・
そんな方でも、筋トレやボディメイクを続けるためのコツを解説します。
自分の感情を見つめ直す
筋トレやボディメイクに何度かチャレンジしているが、いつも挫折してしまう。
そんな方は何が原因なのでしょうか?
自分のこれまでの性格を見つめ直して、時間選好率が高いのか、低いのか?
一度見つめ直してみましょう?
といっても、時間選好率を測定する方法はありません。
これまでの生活を振り返って、自分で判断するしかありません。
時間選好率の高い方の特徴として、
・すぐに成果が出ないことに、ストレスを感じやすい。
・衝動買いが多い。
・ギャンブルやアルコールなどの、依存症がある。
これらはほんの一例ですが、時間選好率の高い方の特徴といえます。
自分が時間選好率が高いと感じるのであれば、それに対する対応をしていけば必然的に、筋トレやボディメイクを成功に導きやすくなります。
目標(ゴール)を細分化する!
時間選好率の低い方では、始めから高い目標を立ててもそれに向かってコツコツとトレーニングを続けることが出来ます。
しかし時間選好率の高い方は、目標が高すぎるとなかなか頂上が見えないために、すぐに挫折してしまう方もいらっしゃいます。
その場合、最終目標をひとつ決めておき、さらにその目標を細分化することも効果的です。
例えば、「1年で10㎏痩せるぞ!」という最終目標を立てた場合で考えてみましょう。
その目標だけでは、トレーニングを始めたては、なかなかその目標に近づかないので挫折してしまう方もいるでしょう。
そのため、目標を細分化していきましょう!
1年で10㎏ということは、1カ月にしたら約1㎏ですよね!
もっと細分化すると、1週間では200~300gです。
このように、目標を細分化してクリアしていくことで、それがモチベーションになり最終目標に近づくことが出来るようになります。
ただ漠然とトレーニングを続けているより、ご自身にあった目標を決めることが、モチベーションにつながり、結果的に筋トレやボディメイクが成功するのではないかと思います。
まとめ
マシュマロ実験から、筋トレやボディメイクについて考察しました。
この実験から得られる、満足を先延ばし出来る能力や時間選好率は、筋トレやボディメイクを成功出来るかという点でも、大きく関係があると思います。
本記事が、皆さんのこれからのトレーニングライフのお役に立てると幸いです。
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理学療法士として、腰痛や肩痛、膝痛など様々な症状の患者さんの治療経験から、ただのトレーニングではなく、動ける身体づくりを目指しています。
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