割れた腹筋やシックスパックって憧れますよね。
このような見せられる腹筋を作るためには、腹直筋をバランス良くトレーニングすることが不可欠です!
しかしこのバランス良くというのが、何も考えずにトレーニングしていると意外と難しいものです。
多くの方が、腹直筋の上部ばかりトレーニングしてしまい、下部がトレーニングされていない状態に陥ってしまいます。
これでは、きれいなシックスパックを作ることが出来ません。
本記事では、なぜ腹直筋の下部は鍛えにくいのか?その理由を解説していきます。
腹直筋とは?
お腹の前面で最も表層にあるのが、腹直筋です。
シックスパックや割れた腹筋というのは、鍛えられたこの筋肉を指します。
白線と腱画
腹直筋は腱性線維によって、6つもしくは8つの区画に分かれています。
縦に走る白線と、横に走る腱画です。
この横に走る腱画は個人差が大きいとされています。
この個人差によって、6つに分かれている方と8つに分かれている方がいるのです。
また、左右対称の方と非対称の方もいます。
このような、区画や左右の対称性はトレーニングによって何とかなるものではないと言われています。
ちなみに、僕は左右非対称で段違いになっています。
腹直筋はなぜ区画に分かれているのか?
腹直筋が白線と腱画によって区画が分かれていることは上記しましたが、そもそもなぜ区画に分かれている必要があるのでしょうか?
単純に力を発揮することだけで考えると、区画に分かれずに一つの長い筋肉となっていたほうが、力-長さ関係から大きな力を発揮できると考えられます。
これについて、オーチスのキネシオロジーには以下のように記載されています。
「区分された腹直筋は短縮して膨らむことを制限するだけ得なく、内臓の内容物が容積を変えるのに合わせて体幹の屈曲-伸展や腹部の膨隆または収縮を行いやすくするために、各腱で曲げることが出来る。」
つまり、腹直筋が区画に分かれておらず単一の筋肉として収縮するだけだと、内臓を圧迫するように体を動かしてしまうということです。
これが、区画に分かれていることで腹部を曲げる動きを柔軟に調整することができるようになります。
内臓の圧迫を回避しながら体幹を動かすことが出来るように、腹直筋は区画に分かれているのですね。
腹直筋上部と下部の機能は分かれている?
腹直筋は長い筋肉です。
そのため、上部と下部に分けてトレーニングする方法が取られることが多い筋肉です。
そこでも一つ疑問点として、腹横筋は上部と下部を別々に使うことは可能なのか?ということです。
オーチスのキネシオロジーによると、腹斜筋は上部と下部の間で機能的な区分があり、別々に働くことが出来るとされています。
その一方で、「腹直筋の上部と下部の間には重要な機能区分がなく、腹直筋のすべての区画が屈曲トルクを発生している間は、同じ活動度合いで一緒に活動する」と記載されています。
これだけ見ると、腹直筋は上部と下部に分けてトレーニングする意味がないという解釈になります。
しかし、下記の研究によると、運動課題によって腹直筋の各部位に相違が生じていることを確認しています。
そのため、腹直筋は上部と下部が別々に機能することが可能なのか?いまだはっきりとした答えは分かりません。私が知らないだけかもしれないので、分かる方いらっしゃいましたら教えて頂けると幸いです。
現時点での私の考えとしては、明確に活動を分けることが出来るのか分かりませんが、どちらを意識するか考えながらトレーニングする必要はあると思っています。
私自身、実際に腹直筋の上部と下部を意識してトレーニングしてみると、明確に上部に効きやすいトレーニングと下部に効きやすいトレーニングがあることが分かるからです。
また、腹直筋が区画に分かれているのは上記しましたが、それが単なる内臓の圧迫を回避するだけではないのではないかと考えています。それぞれ機能を持たせるために、わざわざ区画に分かれているのではないでしょうか。
もちろんこれらは私の推測でしかありませんが、現時点では腹直筋のトレーニングは、上部を意識するもの、下部を意識しするもの、全体に効かせるものを分けてトレーニングするのが望ましいと思います。
腹直筋下部が鍛えにくい理由
ここまで腹直筋について解説しましたが、ここからが本記事の本題です。
私は理学療法士として、様々な患者様の腹直筋を触ってきましたが、圧倒的に下部の方が弱化している方が多いと感じます。
それはなぜでしょうか?
この腹直筋下部の弱化は、姿勢の悪化やポッコリお腹の原因ともなってしまうため、改善しなければなりません。
腹直筋下部が弱化しやすい原因を、筋肉の起始停止から考えていきましょう。
腹直筋の起始停止から考える上部と下部の機能
筋肉が骨や靭帯に付着している部分を「起始部」「停止部」といいます。
一般的に起始部は動きが少なく、停止部は動きが大きい側を指しています。
腹直筋は起始部が骨盤の恥骨、停止部が5~7肋軟骨、剣状突起となっています。
起始部側である腹直筋下部は、普段動きが少ない部分なのです。
何も意識せず腹直筋を使ったトレーニングをしようとすると、普段動かしている上部ばかりを使ったトレーニングになりやすいのもこのためです。
腹直筋をトレーニングする場合、腹直筋上部を意識、腹直筋下部を意識、腹直筋全体を意識というように、腹直筋の中でも特にどこを効かせるかを意識しながらトレーニングしましょう。
そうすることで、腹直筋全体をバランス良くトレーニングすることが出来ます。
腹直筋下部を意識したトレーニング
ここまで腹直筋下部は、上部よりも使われにくい理由を解説してきました。腹直筋下部は意識してトレーニングしなければ、使いやすい上部ばかりトレーニングしてしまうことになりかねません。
腹直筋下部に効かせることが出来るトレーニングは数多くありますが、中でもバランスボールを使用したトレーニングをオススメしています。
バランスボールを使ったトレーニングには、腹直筋下部から動きを作るトレーニングが多くあるためです。
以下にいくつかの腹直筋下部に効かせやすいトレーニングのリンクを貼っておきますので、ご興味があればチェックしていただき、是非チャレンジしてみて下さい。
リバースクランチ
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ロールイン・ロールアウト
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パイクロール
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