膝の痛みは非常に多くの方が経験しており、とても身近な症状の一つです。
その証拠に、膝痛の有病率は32.7%といわれており、実に3割の方が膝痛の痛みを経験していることになります。
日本人における膝痛・腰痛の有病率と危険因子~全国9地域1万2,019人のデータより|医師向け医療ニュースはケアネット
私は、日々理学療法士として膝の痛みのある患者さんへのリハビリを行っています。
そこで良く耳にするのが、「膝痛を改善しようとしてトレーニングをしたら余計に痛くなった」という訴えです。
膝の痛みは適切なトレーニングを行わなければ、逆に膝を痛めてしまう場合もあるのです。
今回は、そんな身近な疾患である膝の痛みを改善するために安全なトレーニング方法を4つご紹介してみて下さい。
膝の痛みの原因は?
一口に膝痛といっても、その原因は様々です。
代表的な膝痛の原因として
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 膝靭帯損傷
- ジャンパー膝
- ランナー膝
- 膝蓋大腿関節症
などが挙げられます。
膝の痛みを根本的に改善するためには、これらの痛みの原因に応じて、適切な治療やトレーニングをすることが重要です。
間違った方法で治療やトレーニングをしてしまうと、逆に膝を痛めてしまう危険性があります。
ほとんどの膝痛に有効なトレーニング部位
上記したように間違った方法でトレーニングをしてしまうと、膝の痛みを改善しようとしたのに、逆に膝を痛めてしまうこともあります。
では何を行えばよいのか?
専門家でもないと、判断が難しいですよね・・・
しかし、ほとんどの膝痛の方に共通して有効なトレーニング方法があるんです。
それは、お尻にある殿筋群のトレーニングです。
膝の痛みなのに、なぜお尻⁉
そもそもなぜ膝を痛めてしまったのか?
これも原因は様々ですが、膝を捻ったり交通事故など、明確な受傷機転が無い限り膝が痛くなった原因は単純です。
膝を痛めやすい方は、立ち座り、階段、ジャンプやランニングなどの動作で、膝を動かす筋肉ばかりを使ってしまっています。
そのため膝に負担が掛かりやすく、膝を痛めてしまいます。
膝だけに頼らず、お尻の筋肉を使えるようになるとどうでしょう?
膝関節と一緒に、お尻の筋肉が股関節を使ってくれます。これにより、膝だけに負担が掛からず、股関節へ負担を分散することが出来ます。
膝が痛くなりにくい方は自然とこれが出来ているのですが、膝を痛めやすい方は膝ばかりを使って動いてしまっているのです。
バランスボールを使って安全に筋トレをしよう!
それでは、どんな方法でお尻のトレーニングをしていくか?
お尻のトレーニング自体は、バリエーションが豊富です。
しかし、ここでの注意しなくてはならないところが、いきなり体重の掛かるトレーニングばかり行わないということです。
体重が掛かるトレーニングは、当然お尻だけではなく、膝への負担もかかります。
お尻にしっかり力を入れられないうちから体重を掛けたトレーニングを行うのは逆効果になってしまう可能性があります。
お尻の筋肉の筋出力が出るようになってから、体重を掛けたトレーニングも行っていきましょう!
そのため、トレーニングの順番としては
- 体重を掛けないトレーニング
- 半荷重状態でのトレーニング
- 体重を掛けて状態でのトレーニング
という順番でトレーニングを行っていくことで、膝に対しても安全なトレーニングが行うことが出来ます。
この中で、半荷重状態でのトレーニングというのは方法が難しいのですが、バランスボールを使えば簡単に行うことが出来ます。
今回は、これらのトレーニングをバランスボールを使った方法にて、順を追って4つご紹介します。
BBヒップエクステンション
まずは、体重を掛けないお尻のトレーニングである「BBヒップエクステンション」です。
このトレーニングと次に紹介する「ボールヒップリフト」は、膝への負荷が全く掛からないトレーニングです。
トレーニングを始め立ての方は、まずこの2つから始めていきましょう!
目安回数:10回左右2セットずつ
もっと詳しく知りたい方はこちら↓
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ボールヒップリフト
目安回数:3秒間キープで10回2セット
もっと詳しく知りたい方はこちら↓
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ボールランジ
上記2つのトレーニングで、お尻に力が入る感覚が掴めてきたら、次は半荷重位でのトレーニングです。
ボールランジは、ボールにお尻を半分のせて行うことで、半荷重位でトレーニングすることが出来ます。
これにより、膝への負担を軽減しながらしっかりとお尻に効かせるトレーニングをすることが出来るためオススメです。
正しいフォームで出来ると、見た目以上にキツいトレーニングですよ!
目安回数:10回2セットずつ
もっと詳しく知りたい方はこちら↓
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ブルガリアンスクワット
最後は、荷重位でのトレーニングである「ブルガリアンスクワット」です。
このトレーニングは、かなり難度が上がります。
「ボールランジ」が問題なく回数を出来るようになってから行いましょう。
これがしっかり出来るようになれば、スポーツなどの動きでも筋肉が膝への負担を軽減してくれるでしょう!
目安回数:8~10回左右2セットずつ
もっと詳しく知りたい方はこちら↓
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まとめ
膝の痛みに対するリハビリは、トレーニングが基本となります。
しかし、誤った方法でトレーニングしてしまうと、逆に膝を痛めてしまうケースも珍しくありません。
今回ご紹介した方法は、最後のブルガリアンスクワットを除いて、膝への負担が少なくトレーニング出来る方法です。
ブルガリアンスクワットだけは、少し負荷の大きい方法ですが、非常に有効なトレーニングでもあるため、他の3つのトレーニングが出来るようになったら、是非チャレンジしてみて下さい。
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