バランスボールを使った姿勢改善に効果のある体幹トレーニング
やり方
エクササイズレベル
★★★★☆ Level 4
メインターゲット
腹筋群
こんな方にオススメ
- 体幹トレーニングをしたい方
- 反り腰を改善したい方
- 野球、バレーボールなどのオーバーヘッドスポーツをされる方
目安回数
(手、脚両方で1回とカウントして)5回×2セット
ポイント
- 手脚を伸ばしたとき、腰が反らないように注意しましょう。腰が反ってしまうと腹筋群の力が抜けてしまいトレーニング効果がなくなってしまいます。
- どうしても腰が反ってしまう方は、体幹の筋力が低下しているか、股関節前面の筋肉が硬くなっている可能性があります。反らずに動かすことが出来る範囲でトレーニングしましょう。
- 背中や股関節前面の筋肉を事前にストレッチしておくとスムーズにトレーニングしやすくなります。
理学療法士による、ちょっとマニアックな解説
腹筋群と股関節の連携
反り腰でお悩みの方って多いですよね。
反り腰となってしまう原因はいくつかありますが、股関節前面にある腸腰筋と大腿直筋に引っ張られる形で反り腰となってしまっている場合が多くみられます。
腸腰筋と大腿直筋は、骨盤や腰椎に付着している筋肉です。それぞれ股関節を曲げたり、膝を伸ばしたりする筋肉ですが、骨盤の前傾と腰椎の前弯も同時に引き出し、結果的に反り腰を招いてしまいます。
今回ご紹介した「Vボールパス」では、ボールを脚に挟んで伸ばした時、この腸腰筋と大腿直筋でキープしています。
この時、腹筋群の力が抜けていしまっていたら、腸腰筋と大腿直筋に引っ張られて腰が反ってしまいます。
これではトレーニングになりません。
そのため、骨盤を後傾させて反り腰を防ぐ作用のある腹筋群を使って腰が反らないようにキープした状態で行う必要があります。
こうした正しいフォームで行うことで、反り腰とならないように注意しながらトレーニングすることが重要となります。
逆にいえば、このトレーニングが正しいフォームで行うことが出来るようになると、腹筋群と腸腰筋・大腿直筋を正しい連動性をもって使うことが出来るようになります。
肩関節、胸郭と腹筋群の連携
ボールを脚に挟んで伸ばした時の、腹筋と下肢の筋肉の連携については上記しました。
ボールを手で持って頭上へ挙げたときにはどうでしょうか?
まず手を頭上へ挙げたとき、胸郭(肋骨と胸椎)は伸展しなければ、完全に手を頭上へ挙げられません。
猫背姿勢となってしまっている場合は、胸郭は伸展が制限された状態となっています。
特に反り腰となってしまっている方の中でも、腰は反っていますが、背中は猫背となってしまい脊柱のS字カーブが大きくなっているタイプ(Kyphosis lordosis)の方では、このトレーニングは注意しなければなりません。
ボールを頭上へ挙げたとき、胸郭が伸展しにくいことで、変わりに腰を反らせて動かそうとしてしまいます。
これを防ぐためには、胸郭自体の柔軟性を上げておくことと、下部腹筋群で骨盤を後傾方向へ引っ張りながら胸郭を伸展することが必要です。
ボールを脚で挟んでいる場合と少し違うのは、骨盤を後傾へ引っ張る筋肉は何でも良いというわけではありません。腹直筋や外腹斜筋だけでの強い収縮は避けたいところです。
これは、腹直筋や外腹斜筋が胸郭を閉じる方向へ作用する筋肉で、反り腰は防ぎますが胸郭の伸展性は失われてしまうためです。
そのため、腹直筋や外腹斜筋も勿論使いますが、下部の腹横筋をしっかり作用させることで骨盤前傾と腰椎前弯を防ぐことが重要になります。
これを意識するのはとても難しいですが、上手く意識でいない方は難度の低い「腰椎後弯エクササイズ」など、他のトレーニングで下部腹筋を意識出来るようにしてから再チャレンジするのも良いでしょう。
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