腹横筋トレーニングと腰部起立筋群のストレッチ
【エクササイズ難度】
★☆☆☆☆ Level 1
【メインターゲット】
・腹横筋
【こんな方にオススメ】
・反り腰を改善したい方
・腰の筋肉(腰部起立筋群)を緩めたい方
・腹横筋のフィードフォワード機能を獲得したい方
【ポイント】
・しっかりお腹を凹めた状態で、腰椎後弯エクササイズを行いましょう。凹め方が弱いと腹横筋が十分に働きません。
・腰椎後弯させる際、慣れてきたら骨盤も後傾するように意識しましょう。こうすることで腰椎後弯がより大きくなり、腹横筋と同時に骨盤を後傾させる外腹斜筋も働きます。また、腰部起立筋群のストレッチ効果も得られます。
・スタートポジションに戻った際には、一度完全に脱力しましょう。こうすることで、腰部起立筋群が過緊張している場合、緊張を緩めやすくなります。
【理学療法士による、ちょっとマニアックな解説】
フォードフォワード機能のある腹横筋
腹横筋は”コルセット筋”ともいわれ、腹筋群の中で最も深層にあります。
筋線維は横方向に走行しているため、体幹を屈曲させる作用はほとんどありません。しかし、コルセットのように体幹を締めることで腹圧を上昇させ、腰部を安定化させる作用があるとされています。
腹横筋の重要な機能の一つに、体幹安定化のためのフィードフォワード機能があります。
例えば手を上へ上げる動きで考えると、肩を動かすのは肩の周りにある三角筋などですが、その三角筋が働く一瞬前に、すでに腹横筋が働いており体幹を安定させていることが分かっています。この機能が無ければ、手を挙げることで重心の位置が変化し、体はバランスを崩してしまいます。
このように、腹横筋がフィードフォワードに体幹を安定させていることで、手足をバランスよく動かすことが出来ています。
腹横筋のフィードフォワード機能が崩れるとどうなる?
腰痛のある方の多くは、この腹横筋のフィードフォワード機能が低下しているといわれています。
先ほどの手を上に挙げる例でいうと、手を挙げることでの重心の崩れを腹横筋で制御できなくなると、腰を反らすようにして代償してバランスを取ろうとしてしまいます。
こういった動きが肩だけでなく、股関節を動かすときなど、様々な動きで無意識に繰り返されるようになってしまい、結果的に腰部の負担が増大してしまうのです。
この場合、まずは第1段階として機能していない腹横筋をトレーニングすることが必要です。その後、第2段階として鍛えた腹横筋を、フォードフォワードに機能させられるようなトレーニングをしていきます。
今回紹介した腰椎後弯エクササイズは、第1段階の腹横筋の単純なトレーニングがメインとなります。これに慣れてきたら、骨盤の後傾を大きくすることで①腹横筋を機能させた状態で②外腹斜筋を働かせるという順番でエクササイズすることが出来るため、結果的に第2段階のフィードフォワード機能につなげることも出来ます。
実際には、このトレーニングで腹横筋をウォーミングアップさせた後、クランチや、プランク系エクササイズ、バードドッグなど、他の体幹エクササイズとつなげます。こうすることで、体幹トレーニングの中で腹横筋が意識され、フィードフォワードに機能しやすい状態を作ることが可能になります。
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