バランスボールでハムストリングスのトレーニング!
【エクササイズ難度】
★★★☆☆ Level 3
【メインターゲット】
【こんな方にオススメ】
・ハムストリングス(もも裏)を鍛えたい方
・ハムストリングスの肉離れを経験している方、予防したい方
【ポイント】
・お尻の上げ方、ボールを転がす範囲で難易度を調節出来ます。
・動作中、腰が反らないように注意しましょう。お腹を凹めた(ドローイン)状態を保って!
・引き寄せてから戻すときは、ゆっくり戻します。早く戻してしまうと、戻すときの筋肉を使わないため効果が半減してしまいます。
【理学療法士による、ちょっとマニアックな解説】
意外と筋力低下しているハムストリングス
運動不足になってしまっている方や、トレーニング初心者の方では、もも前面にある大腿四頭筋は頻繁にトレーニングしていても、もも裏のハムストリングスはトレーニングし忘れているという方は少なくありません。その結果、ハムストリングスが筋力低下している方は多くみられます。
ハムストリングスの主な機能としては膝関節の屈曲ですが、実際の動作の中では股関節伸展作用としての機能が重要になります。ハムストリングスが股関節伸展力の30~50%を担っていることも、研究によって明らかになっています。
日常の中では、前屈運動や前屈から正中に戻る運動など。歩行時には、遊脚後期における膝関節伸展の制動、立脚期での股関節伸展でハムストリングスは使われるため、筋力低下によって、動作に大きな影響をもたらします。
ハムストリングスの肉離れを予防するためには?
ハムストリングスは、肉離れを起こしやすい筋肉の一つです。ダッシュ動作(スプリント)、方向転換、ジャンプ着地など様々な場面で起こりますが、特にスプリント中に頻発します。
では、なぜハムストリングスはスプリント中に肉離れしやすいのでしょうか?
その発生機序を知ることが予防につながりますので解説します。
ハムストリングスの肉離れは、スプリントで足を前方へ振り出した時に起こりやすい
スプリント中、足を前方へ振り出したらその後は、足を地面について後方へ蹴りださなければなりません。そのため、前方へ振り出した足を減速させる必要があります。この時、足を前方へ振り出しているのが大腿四頭筋(もも前面)、その勢いを減速させているのが、ハムストリングスです。
この時、ハムストリングスは伸ばされながら縮む遠心性収縮から、素早く短縮する求心性収縮に切り替えられます。
以上のことから、ハムストリングスが肉離れを予防するための要点としては、
①大腿四頭筋とハムストリングスの筋力比の不均衡(HQ比)を修正し、ハムストリングスの遠心性の筋力をトレーニングする。
②遠心性収縮から求心性収縮への能動的な素早い切り替えが出来るようにトレーニングする
この2点が重要になると考えられます。
ハムストリングスの肉離れ予防のためのレッグカールのトレーニング方法
・ボールを引き寄せてから戻すときは、遠心性収縮を意識してゆっくり戻す。
・遠心性収縮でボールを戻したら、求心性への切り替えは素早く行う(ボールを引き寄せるのは素早く)。
この2点を意識することで、スプリント中の肉離れ予防のために効果的なトレーニングが出来ます。
ダブルレッグでのレッグカールが出来るようになったら、より難度の高いシングルレッグでのレッグカールへとステップアップしましょう。