トレーニーの皆さん、「トレーニングの3原理」を知っていますか?
せっかく頑張ってトレーニングしても、それが無駄になってしまったらイヤですよね。
それを避けるためには、トレーニングの3原理を知っておく必要があります!
トレーニングを無駄にしないためには、ただ闇雲にトレーニングするのは危険です。この3原理を意識してトレーニングする必要があります。
ちなみに、「トレーニングの3原理5原則」というものもあります。もちろん3原理だけでなく5原則も覚えておいたほうが良いですが、そこまで覚えると少し複雑になってしまいます。そのため、私個人的には「3原理」をしっかり理解して、意識してトレーニングしていれば間違いないと思っています。
そのため本記事では、その3原理について詳しく解説します。
トレーニングの3原理とは?
「原理」とは、以下のサイトによると、人間の力ではどうすることも出来ないこの世界に元から存在する決まりとされています。
「原理」と「原則」の違いとは?分かりやすく解釈 | 言葉の違いが分かる読み物
つまりトレーニングの3原理とは、トレーニングすることで必ず起こる現象ということです。必ず起こるため、トレーニングをする際には把握しておかなければいけない内容です。
トレーニングの3原理とは、以下の3つを指します。
- 過負荷の原理
- 可逆性の原理
- 特異性の原理
過負荷の原理
過負荷の原理は、別名オーバーロードの原理とも言います。
同じ負荷・同じ回数でトレーニングし続けていると、始めのうちは効果が出るのが分かりますが、徐々に効果が実感しずらくなってきます。これは、トレーニングの負荷に筋肉が慣れてくることが原因です。
トレーニングによって筋力や体力が向上します。その後、現状維持で良いなら負荷量もそのままで大丈夫でしょう。
しかし、さらなる効果を望むなら負荷を上げる必要があります。これが、過負荷の原則です。その名の通り、「過負荷」を掛けなければ筋力や体力は向上しにくいということです。
極端な例をいうと、私たちは日常生活を過ごすだけでも、もちろん筋肉は使っています。しかし、それだけでムキムキの肉体になる人はいません。筋肉を使っていても、過負荷はかかっていないため、それ以上に筋肉は成長しないためです。
常に自分に合ったレベルの適切な負荷が掛かっているか、注意しながらトレーニングしましょう。
可逆性の法則
トレーニングでせっかく筋力や体力を高めても、トレーニングをやめたら徐々に元に戻ってしまいます。
これが可逆性の原理です。
例えば一流のプロ野球やプロサッカー選手でも、引退後にトレーニングをしていないと、徐々に体形が変わってきてしまいます。
筋力、体力や体形を維持するためには、トレーニングを継続することが重要ということです。
特異性の原理
この特異性の原理は、私が理学療法士としてリハビリ時に行う運動指導や、スポーツパフォーマンスアップのためのトレーニングを指導する際には、最も意識して指導する原理です。
書籍「NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識」の中で、特異性の原理については以下のように記載されています。
「トレーニングが最も効率的であるのは、筋収縮のタイプや動作パターン、範囲、速度などの点が改善しようとするターゲット動作と類似している場合である」
つまり、筋肉はトレーニングされた動きでないと上手く力を発揮できないということです。
例えば、ジャンプ力を上げるためのトレーニングとして、大腿四頭筋を鍛えることは必要です。
しかし、座った状態で膝を伸ばすレッグエクステンションだけをやっていれば良いかというと、これだけでは大腿四頭筋の筋力はついてもジャンプ力は上がりません。ジャンプ力を上げるためには大腿四頭筋の筋力は不可欠ですが、それだけでジャンプするわけではなく、実際には下腿三頭筋、殿筋群などとともに強調して力を発揮することが必要だからです。
そのため、大腿四頭筋を単独で鍛えるだけでなく、ジャンプ動作に類似した動きで他の筋肉と一緒に動かす動作をトレーニングすることが必要になります。
特異性を考慮してジャンプ力を上げるためのトレーニングの一例としては、
- レッグエクステンションでベースの大腿四頭筋の筋力を作る
- スクワットで、荷重位で大腿四頭筋を発揮できるようにトレーニングする
- スクワットからの実際のジャンプ動作をトレーニングし、大腿四頭筋を他の筋肉と強調して働けるようにトレーニングする
このように、徐々にターゲットにしている動きにトレーニングを近づけていく必要があります。
ただ単に、マッチョになりたい、お腹周りを引き締めたいといった目的でトレーニングをされている場合は、特異性はそこまで意識しなくてもよい場合もあります。
しかし、多くの方が何か強化したい動きや、改善したいことがあるはずです。
トレーニングで姿勢を良くしたい、腰痛を予防したいなど・・・
そうであれば、それに合わせた特異性のあるトレーニングを意識的に行っていきましょう。
まとめ
トレーニングをする目的は人によって様々です。
しかし、せっかくトレーニングをするならその目的に最短距離で突き進みたいと誰もが思うはずです。それに関しては、わざわざ遠回りする必要はありませんからね!
効率良くトレーニングの目的を達成するための知識として、このトレーニングの3原理をしっかり理解しておきましょう!