姿勢に悩む方の多くが、「猫背姿勢」となっていることではないでしょうか?
猫背となってしまっていると、見た目が悪いことはもちろんですが、頭痛や首肩こりの引き金となってしまいます。
猫背姿勢の原因はいくつかありますが、中でも多いのが「上位交差性症候群」を呈している場合です。
本記事では、上位交差性症候群とは何か?その原因と対処法について解説します。
上位交差性症候群とは?
上位交差性症候群とは、筋力低下している筋肉と、柔軟性が低下している筋肉が交差して存在する姿勢となってしまっている場合を指します。
具体的には以下のような状態です。
【弱化】
- 首の前側の筋肉:大胸筋、小胸筋
- 肩甲骨の内側の筋肉:僧帽筋下部、菱形筋
【柔軟性低下】
- 胸の前側の筋肉:大胸筋、小胸筋
- 首の後ろ側の筋肉:僧帽筋上部、肩甲挙筋
このように猫背が習慣化してしまっている場合、その原因はどこか1か所の筋力低下しや、1か所の硬さから起こってしまうわけではありません。
筋力低下と柔軟性低下が組み合わさって猫背となっています。
上位交差性症候群を改善するには?
上記したように、猫背の原因となる上位交差性症候群を改善するためには、弱化している筋肉のトレーニングと、硬くなっている筋肉のストレッチをセットで行うことが必要なのです。
そのためのトレーニングやストレッチは様々な種類がありますが、私はバランスボールを使ったトレーニングをオススメしています。
バランスボールを使えば、ボールの球面を利用して硬くなった胸の前や脊柱をストレッチが簡単に行えます。
また、それと同時に首の前側や肩甲骨周囲の筋肉のトレーニングも出来るものがたくさんあります。
繰り返しになりますが、上位交差性症候群を改善するためには、硬くなった筋肉のストレッチと弱化している筋肉のトレーニングをセットで行わなければなりません。
個別のストレッチやトレーニングなども良いのですが、1か所ずつ行っていかなければなりません。
バランスボールを使えば、その全てをセットで行うことが出来ます。
今回は上位交差性症候群に対して特に効果の高い、バランスボールを使った3つのエクササイズを紹介します。
バタフライエクササイズ
最初にご紹介するのは、「バタフライエクササイズ」です。
やり方
まずバランスボールに仰向けになり、手を天井方向へ伸ばします。
手を開いたり戻したりする動きを繰り返しましょう。
ポイント
下図のように、3か所ほどボールの位置をずらしながら実施しましょう。
そうすることで、ストレッチされる部分が変わり、背中全体をしっかりと伸ばすことが出来ます。
首がボールから出た位置では、頭部を保持するために首の前側の筋肉のトレーニング効果も期待できます。しかし、首の筋力が低下している場合は、頭部を保持しているのがつらいため、慣れるまでは回数を少なくしましょう。
効果
【ストレッチ効果】
胸の前にある筋肉(大胸筋、小胸筋)、脊柱
【トレーニング効果】
肩甲骨内側、首の前側
目安回数
10回×3セット
トランクローテーション
やり方
トランクローテーションは、ボールにうつ伏せになった状態からスタートです。
片手は後頭部、もう片方の手は横に広げておきましょう。
下半身は動かさず、後方を振り向くように上半身を回旋しましょう。
ポイント
バランスが取りにくい場合は、少し足を大きく広げてみましょう。
それでもバランスが取れない場合は無理をせず、少ない動きから始めましょう。
効果
【ストレッチ効果】
胸の前側の筋肉(大胸筋、小胸筋)
【トレーニング効果】
肩甲骨内側の筋肉(菱形筋)
目安回数
左右10回2セットずつ
バックエクステンション
バックエクステンションはバランスボールを使わず、床で行うことも出来ます。
しかし、日常的に猫背となってしまっている場合、背中の動きが硬くなってしまっています。
そのため、普通にバックエクステンションをしても、腰ばかり反ってしまい肝心の背中の動きがあまり出せません。
バランスボールを使えば、ボールがお腹に当たっていることで、腰が反りにくい状態となり効果的に背中の動きを出すことが出来ます。
やり方
ボールにうつ伏せに寝た状態から、背筋をトレーニングするように上半身を起こします。
そのとき、腰ではなく背中(胸椎)を動かすことを意識しましょう。
また、少しアゴを引いた状態で行いましょう。こうすることで、首の前側の筋肉のトレーニングも同時に出来ます。
ポイント
ボールの位置は、みぞおちの下にボールの頂点がくるようにしましょう。
こうすることで、腰の過剰な動きをボールが防いでくれます。自然と背中が動くトレーニングを作ることが出来るのです。
効果
【ストレッチ効果】
腹筋、胸の前側(大胸筋、小胸筋)
【トレーニング効果】
脊柱起立筋群、首の前側の筋肉
目安回数
30回×2セット
注意点
バランスボールを使ったエクササイズでは、柔軟性の改善と筋力のトレーニングの両方を同時に行うことが出来ます。
しかし、あまりに硬くなってしまっている部位や、筋力低下が著しい部位がある場合、バランスボールでのエクササイズだけでは、改善しきれない場合もあります。
そのため、特に硬さや弱さを感じる部位がある場合は、その部分を個別にストレッチやトレーニングすることが必要になる場合もあります。
バランスボールを使った運動をやってみて、そのような場所があった場合、個別にストレッチやトレーニングを先にしておくことで、バランスボールを使ったエクササイズもよりスムーズになるでしょう。
まとめ
上位交差性症候群の原因から、バランスボールを使った対処方法までご紹介しました。
上位交差性症候群は、突然発生するわけではなく、長い期間を掛けてそういった姿勢が構築されてきてしまいます。
そのため、今回紹介したエクササイズを一度やればすぐに改善出来るわけではありません。何度も繰り返し行う必要があります。
しかし毎日繰り返し行って頂くことで、多くの方が効果を実感できるものでもあります。
本記事を読んでいただいた方は、きっと姿勢についての悩みがある方だと思います。是非今日から、今回ご紹介したエクササイズを始めていただき、猫背を改善していきましょう!
各エクササイズを詳しく知りたい方はこちら
kacchin-pt-trainer.hatenablog.com
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