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ファンクショナルトレーニングとは?5原則とその効果

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トレーニング初心者の方は、ファンクショナルトレーニングと言われてもピンとこない方もいるかもしれません。

しかし、体を動かすためのトレーニングとしては、とても重要なトレーニング方法になります。

ファンクショナルトレーニングを直訳すると、「機能的なトレーニング」となります。つまり体の機能を有効に使うためのトレーニングということです。

 

私は常々「動ける身体を作る」ことを考えてトレーニングを処方したり、自分で行ったりしています。そこで、このファンクショナルトレーニングがとても有効です。

本記事では、そんなファンクショナルトレーニングとは何か?という基本的な部分から、その効果と方法まで解説していきます。

 

 

ファンクショナルトレーニングとは?

トレーニングには、様々な方法や種類があります。例えば下図のような大腿四頭筋を鍛えるトレーニングです。

レッグエクステンションの画像

レッグエクステンション

大腿四頭筋のみを鍛えたい場合、このレッグエクステンションは効果的なトレーニングです。初心者の方でも簡単に出来るし、安定しているため負荷も掛けやすい、どこに効いているかも分かりやすい、とても良いトレーニングです。

しかし、こういったトレーニングはアイソレーショントレーニングといって、単関節のトレーニングになります。膝関節という一つの関節しか動かしていません。

 

日常生活での動きを想像してみて下さい。他の関節を動かさず、膝関節だけを動かす動きはあるでしょうか。答えはほとんどありません。歩くときや走るときはもちろん、階段、椅子からの立ち座りまで、膝だけでなく股関節、足関節などの他の関節も同時に動いています。

筋肉はトレーニングされた動きでしか上手く働くことが出来ない特性があります。実際の動きの中で使える筋肉を作るためには、動きの中で他の筋肉や関節と連動した動きで鍛えないといけないということです。

そのためのトレーニングが、ファンクショナルトレーニングとなります。

 

先ほどの大腿四頭筋ですが、例えば下図のような方法で鍛えたらどうでしょう?

ブルガリアンスクワット画像

ブルガリアンスクワット(バランスボール)

膝関節だけでなく、股関節や足関節も動かされます。そのため大腿四頭筋とともに大殿筋などの筋肉も一緒に働くトレーニングとなり、レッグエクステンションよりもファンクショナルなトレーニングになるといえるでしょう。

 

アイソレーショントレーニングも、ファンクショナルトレーニングもどちらもメリット・デメリットはあります。

アイソレーショントレーニングで、単純な筋力を鍛える。その後、ファンクショナルトレーニングで、その鍛えた筋肉を使える筋肉へと変えていく

アイソレーショントレーニングとファンクショナルトレーニングを上手く織り交ぜながらトレーニングを実施することで、より良い体の状態を作ることが出来るでしょう。

 

ファンクショナルトレーニングの5原則

ファンクショナルトレーニングの定義として、以下の5原則があります。

 

  1. 重力を利用する
  2. 協同と分離
  3. キネティックチェーン
  4. 3面運動
  5. 力の吸収と発揮

 

1.重力を利用する

人間が生活していく中で避けられないものとして、重力があります。

普段意識することはあまり無いかもしれませんが、地球上にいる限り重力に逆らって体を動かしているのです。

この重力に対抗する力をつけなければ機能的な体とはいえないのです。

そのため、ファンクショナルトレーニングは重力に逆らった状態でのトレーニングが必要となります。

プランクの画像

重力に負けないように体幹を維持するプランク

 

2.共同と分離

私たちの身体には、たくさんの関節が存在しています。そして、それらの関節はバラバラに動いているわけではありません。互いに連動して働くことで、身体を動かしています

また全ての関節を動かせれば、連動した効率の良い動きとなるわけではありません。可動性が必要な関節(モビリティ関節)と固定性が必要な関節(スタビリティ関節)があります。このモビリティ関節とスタビリティ関節は、身体には交互に存在しています。

これを「ジョイント・バイ・ジョイントセオリー」といいます。

ジョイントバイジョイントセオリーの図

ジョイントバイジョイントセオリー

 

まとめるとファンクショナルな動きとは、スタビティ関節を固定した状態で、モビリティ関節で体を動かすことが出来ている状態です。

ここで重要なことは、トレーニングの中、どこを固定し、どこを動かすのかを意識するということです。

これを意識してトレーニング出来れば、よりファンクショナルな動きでトレーニング出来ます。

ケトルベルトレーニングの様子

 

3.キネティックチェーン

キネティックチェーンは、日本語で「運動連鎖」といいます。

様々な関節や筋肉が連鎖して働くことで、ファンクショナルな動きを作っています。

例えば、以下のデッドリフトの図を見て下さい。

デッドリフトの正誤画像

正しいデッドリフトと誤ったデッドリフト

正しいデッドリフトでは、大腿部の筋肉~殿部~背筋群~肩甲骨~頸部まで、連鎖的に筋肉がつながり、体全体としてバーベルを持ち上げる動きとなっています。

 

しかし誤ったデッドリフトでは、大腿部の筋肉には力が入っているかもしてませんが、殿部から上の筋肉は腰が丸まってしまっていることで、力が抜けてしまっています。そのため、運動連鎖が途中で途切れてしまっています。これでは、膝や腰部に力がかかり過ぎてしまい傷めてしまう原因となってしまいます。

 

正しいキネティックチェーンでトレーニングすることは、ファンクショナルな動きを作るとともに、傷めにくい体を作るトレーニングにもなるのです。

 

4.3面運動

私たちが身体を動かすとき、一直線方向だけの動きをすることはほとんどありません。前後、左右、回旋方向への動きが複合的に入ります。

 

例えばウォーキングで考えてみましょう。

ウォーキングをする女性の写真

まず、手と足は前後方向へ振っています。

また直線に歩いていても、足は左右交互に体重をかけるため、重心の左右方向への移動があります。

そして、ただ手足を振りだすだけでなく、手と足が左右非対称に振るため、回旋方向への動きが入ります。

いかがでしょうか?ただ、直線的に歩くだけでも、前後、左右、回旋の3方向への動きを伴っているのです

 

トレーニングとしても、このように3方面への動きを取り入れることで、ファンクショナルな動きとなります。

単純な方向の動きだけでなく、様々な方向への動きを取り入れたトレーニングを実施しましょう。

 

5.力の吸収と力の発揮

より強い力を発揮するためには、「力を吸収してから力を発揮する」ほうが効果的です。

例えば、下図のスクワットジャンプでみてみましょう。

 

スクワットジャンプの画像

力の吸収と発揮:スクワットジャンプ

ジャンプする際、ただ立っている状態からジャンプするより、一度膝を曲げて重心を落とし力を吸収してからジャンプする方が、より高く飛べます。

これは、誰でも体感的に知っている当たり前のことです。

しかし、なぜそうかを考えたことがあるでしょうか?

これは、筋肉は少し伸長してから収縮させたほうが強い力は発揮できるからです。これを「ストレッチ・ショートニング・サイクル」といいます。

例えば野球でバッターがボールを打つとき、バットを少し後方へ引きトップの位置を作ります。他にもサッカーでボールを蹴るとき、一度後方へ足を振り上げるテイクバックをとります。これらは、全てストレッチ・ショートニング・サイクルにより強い力を出そうとするための動きです。

 

ファンクショナルトレーニングでも、力の吸収と発揮の動きを意識することで、ストレッチ・ショートニング・サイクルを使い、より力強く身体を動かすことが出来るようになります。

 

まとめ

ファンクショナルトレーニングは、マッチョになるためのトレーニングではありません。

ただ筋肉を鍛えるだけなら、他のトレーニングで1か所ずつ筋肉を鍛えた方が効率的かもしれません。

しかし、トレーニングをする目的を考えてみて下さい。人によって様々な目的でトレーニングに取り組んでいると思いますが、トレーニングをして動ける身体を作りたい、傷めない身体を作りたい、もっとスポーツでパフォーマンスアップを狙いたい。そういった希望のあるかたは、ファンクショナルトレーニングは是非取り組むべきトレーニングです。

また、ダイエットや見た目のためにトレーニングされているかたでも、ある程度筋肉が鍛えられてきたら、ファンクショナルトレーニングにも取り組むべきだと私は考えています。せっかく鍛えた筋肉なので、それを効率良く使えるようにしていきましょう

 

ファンクショナルトレーニングの方法は様々です。

当サイトでは、バランスボールを使ったトレーニングを中心に紹介しています。

以下に、ファンクショナルトレーニングとなるオススメのトレーニングのリンクを貼っておきますので、参考にしてみて下さい。

 

オススメのバランスボールを使ったファンクショナルトレーニング

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