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バランスボールブロックジャンプ ~肩から体幹の連動性を高める~

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バレーボール選手に必須のエクササイズ!肩の動きの改善にも!

①スタートポジション

②ボールを前に転がしながら手を頭上方向へ伸ばす

③下半身を伸展しながら、手を頭上へ伸ばす

【エクササイズ難度】

★★★☆☆ Level 3


【メインターゲット】

腰部起立筋群、僧帽筋下部線維


【こんな方にオススメ】

・オーバーヘッドスポーツをしている方

・腰痛を予防、改善したい方

・姿勢を改善したい方

・肩の可動域を広げたい方

・肩を動かした時の正しい運動連鎖を身につけたい方

・肩こりの改善のためのエクササイズとして


【ポイント】

・指先からつま先までが直線になるようなイメージで行いましょう。

・腰が過剰に反ってしまうと、胸椎の伸展が不足して、肩の可動域が十分に動きません。

・手を挙げたとき、上腕部の三角筋だけでなく、肩甲骨を動かしている背部の僧帽筋下部線維にも力が入る感覚を意識しましょう。

・足の開き具合で不安定性が変化します。バランスが不安定な方は、少し足を広めに開き、バランスが取れる方は狭くしてみましょう。


理学療法士による、ちょっとマニアックな解説】

バレーボールのブロック動作に似ているトレーニン

バレーボールは、非常に腰を傷めやすいスポーツです。その原因はいくつか考えられますが、ブロックやスパイク、サーブといった手を頭上に挙げた状態でのジャンプで、過剰に腰を反らすようにする動きがクセになっている選手が多くみられます。そういった腰の使い方を続けていると、腰部の過負荷から筋筋膜性腰痛や腰椎分離症といった腰部障害を引き起こしてしまいます。

筆者である私自身はバレーボール経験者ではありませんが、5年以上の高校バレートレーナー経験があります。そこで腰痛に悩まされている選手を数多くみてきましたが、こういったオーバーヘッド動作での誤った腰の使い方となっている選手が多くみられました。

この誤った腰の使い方になってしまっている原因ですが、大きく分けて以下のパターンが考えられます。

 

①肩の柔軟性が低下し、代償的に腰部を過伸展させてしまっている。

体幹を安定させずに手を頭上に挙げてしまう、誤った運動パターンが構築されてしまっている。

 

①については、単純に肩の柔軟性をストレッチ等によって向上させなければなりません。

今回紹介した「バランスボールブロックジャンプ」では、②の誤った運動パターンの修正に非常に役立つトレーニングです。

このトレーニングの優れているところは、体幹だけ、上半身だけ、下半身だけといったように体のどこか一部分だけを動かすトレーニングではないということです。下半身から始まり体幹、肩関節まで全身を連鎖的に動かすトレーニンになっています。これにより、誤った動作パターンを修正し、自然と良い動作へと導くことが出来ます。

 

効果的なトレーニングの順番について

こういった体の使い方の連動性を高めるようなトレーニングの場合、トレーニングの順番を意識することで、より効果を引き出しやすくなります。

まずは動きの少ないトレーニングや単関節のみのトレーニングなどから始めます。その後、徐々に動きのあるトレーニングを開始し、最終的にこういった全身を大きく動かすようなトレーニングに移行します。

こうすることで、局所的なトレーニングを全身的なトレーニングへとコーディネーションすることが出来ます。

この「バランスボールブロックジャンプ」は、トレーニングの最終段階で使用することで、最も効果を発揮しやすいと考えられます。

 

僧帽筋下部線維のトレーニングとして

少し専門的な話になりますが、このトレーニングでは僧帽筋の中でも特に下部線維を中心に刺激することが出来ます。

これは、ボールに腹臥位となっているためです。

肩を屈曲することで、肩甲骨は上方回旋します。僧帽筋は上部線維が肩甲骨の挙上と上方回旋、下部線維が下制と上方回旋を担っています。

この上部線維と下部線維が互いにバランスよく働くことで、上方回旋の平衡が保たれていると言われています。

オーバーヘッド動作で異常な運動パターンが構築されてしまっている方はでは、この上方回旋の平衡が乱れてしまっている場合があります。上部線維が優位となってしまい、肩甲骨の挙上が強くなってしまっている場合です。これによって、肩の可動域制限を生じてしまい、結果的に腰部を過伸展することで代償してしまいます。

こういった場合、僧帽筋下部線維をトレーニングすることで、上方回旋の平衡を保つアプローチが有効になります。

直立位では、上肢の重量が肩甲骨を下制方向へ引っ張っているため、僧帽筋下部線維が作用しにくくなってしまっています。しかしこの「バランスボールブロックジャンプ」では、ボールに腹臥位となっていることで、上肢の重量がむしろ肩甲骨を挙上方向へ誘導しやすくする傾向があります。これによって、肩甲骨を上方回旋させるために僧帽筋下部線維が刺激されやすくなると考えられます。

そのため、僧帽筋上部線維が優位な肩屈曲動作を呈している方は、このトレーニングで僧帽筋下部線維を刺激することで、トレーニング後に可動域の拡大や、手を上げやすくなったと実感していただけます。

オーバーヘッドスポーツだけでなく、慢性的な肩こりのある方などにも効果的です。


☆関連するエクササイズ

このエクササイズの前にやっておいたほうが良いエクササイズはこちら↓

 

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